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活動報告ブログ

山根成二の独り言

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県議会報告

2024-04-15
私自身が質問に立てなかったことから、2月県議会における能登半島地震に関連した防災対策に関する答弁のエッセンスを掲載します。
能登半島地震は、道路が破損され、集落が孤立、上下水道の損傷、家屋倒壊、港湾施設が使用できなくなる、救援・復旧が困難など厳しい状況が重なった災害となりました。この地震により犠牲となられた方の方に哀悼の意をささげますとともに、被災された方々へお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧をお祈りするものであります。
この地震を受け、2月議会では防災対策に関して多数・多岐にわたり質問がありました。答弁は、少なからず、我々にも参考になると考え、掲載するものです。答弁の選択は、私の独断で行っていること、私見で答弁をまとめたため不十分な点があることをお許し願います。
 
1 能登半島地震の教訓・同地震を受けての防災計画の見直しについて
現行地域防災計画は、科学的知見やデータに基づき、本県に影響がありそうな10の地震や津波を想定し、孤立可能性が高い地域、液状化の恐れがある地域、住宅の耐震化状況などを踏まえて、被害想定を作成したうえで、対策を定めている。
  能登半島では、半島部において多くの道路が寸断され、支援物資が供給できない孤立地域も多数発生した。
このため、半島部においては、陸路の活用が難しくなることを念頭に必要な対策を準備する必要がある。
まず、県防災ヘリや自衛隊の応援を得て、被災地の状況を把握することが重要。県も、新たにドローンや
悪路走行可能車両の配置を行う。
次に、ヘリコプター、船舶により機材・人材を投入し、救助を行う。陸・海・空からの救助を行うため、
ヘリコプターの離着陸適地を調査するなど迅速な対応ができるよう備える。
 こうした対策には、政府の支援の充実が必要。政府の迅速な支援の下に、市町村とともに住民の生命、身体、財産を守るという県の責務を果たす。
 大規模災害の際の必要物資の備蓄量を増やすことも重要。半島部への分散備蓄も検討する。
 災害時に行政の支援が届くまでの間、共助で支えあう地域の絆が重要。自主防災組織の強化に取り組む。
今後、国の検証を踏まえ地域防災計画を見直すとともに、市町村と連携して防災対策を強化する。
なお、県計画では、県内最大クラスの被害が想定される「島根半島沖合地震」でマグニチュード7.7を想定しており、揺れ・液状化により建物の全壊・半壊は53,000棟余、避難者数は67,000人余と想定。松江市・出雲市も県の想定を基に最大の被害が想定される地震を踏まえて対策が定められている。
  • 山根注記  早期の状況把握・救援物資のスムーズな提供の必要性は、半島部に限らず、中山間地
域においても重要→「ヘリコプター離着陸可能適地の調査は、中山間地域でも行われるべき」
と委員会で指摘。「まずは、半島部」との回答。
2 備蓄の強化
  能登半島では、陸路が限定される半島部において、多くの道路が寸断され、救助や物資の提供が困難とな
った。島根半島でも大規模な災害が生じた場合陸路の使用が困難になることを想定して準備する必要がある。
現在、おかゆ、粉ミルクなどの食料・飲料水を県と市町村で各0.5日分備蓄し、各家庭で1日分の備蓄をお
願いしている(合計2日分)。今後、県の備蓄を0.5日分増やし、市町村にも同様のお願いする。(合計3日分となる。)また、毛布、簡易トイレなどの生活必需品も備蓄している。市町村の備蓄については、毎年度調査しているが、品目や数量にはばらつきがある。今後とも、ニーズを踏まえた備蓄を働きかける。
県の備蓄は、現在、松江・浜田・隠岐で行っているが、松江市・出雲市と連携して半島部における分散配
置も検討する。
 なお、昨年の市町村の備蓄状況調査では、乳児用ミルクは12,カセットコンロは12、紙おむつは14,離乳食は1の市町村が備蓄という状況。市町村に備蓄を働きかける。
交番・駐在所は、災害発生初期において、実態の把握や避難誘導等の活動を行う。そのため、アルファ化
米、飲料水等の3日分とハンマー、バール等の備蓄を行っている。
3 自衛隊との連携
  本県及び本県周辺には、多くの自衛隊基地や駐屯地がある。また、県内3空港と米子空港を自衛隊の受け
入れや物資の輸送、傷病者の他県への移送の拠点として使用することも想定している。令和4年の県総合防災
訓練では、米子・出雲・隠岐の3空港、境港・西郷港を活用して自衛隊との連携の手順を確認している。
災害時における自衛隊との連携については防災計画に定めているが、能登半島地震を踏まえて、その手順
を再確認し、災害応急対策の実効性を高めていく。
自衛隊の災害派遣活動は多岐にわたり、中でも応急対策諸活動の展開は欠かすことができない。災害応急対策を円滑に実施するためには平時からコミュニケーションを図り、「顔の見える関係」を構築し、信頼感を醸成することが重要。県では、訓練、会議、訪問等を通じて災害時の連携を深めている。引き続き、関係構築に努める。
4 集落の孤立
孤立の可能性がある集落は、内閣府の調査では、農業集落で634,漁業集落で35,計669である。なお、
この調査における孤立集落とは、「① すべてのアクセス道路が土砂災害の危険がある。② 船舶停泊施設が地震・津波により使用不能となる恐れがある。」というもの。
集落の孤立を防ぐため、道路・橋梁など危険個所での対策を進めるが、孤立を全て防ぐことは困難。孤立対策としては、まず、県防災ヘリや自衛隊の協力を得て、道路の被災状況や孤立の状況を把握することが重要。県としても新たにドローンや悪路走行可能な車両を配備し、状況の早期把握に努める。そのうえで、自衛隊や海上保安庁のヘリや船舶により機材や人員を投入して救助を行う。その環境整備としてヘリポート適地の調査を実施する。
孤立可能性地域を周知すべきとの意見は、当該地域の住民の方には防災意識を高めてもらえる半面、孤立の可能がないとされた地域の皆様にかえって、安心感を与えてしまう。能登半島では可能性地域とされていな地域でも孤立が発生している。したがって、この調査結果は、市町村が地域の実情に応じて効果的に活用されるよう働きかける。
過去30年に、2日間以上集落が孤立した災害は、4回あり、いずれも大雨災害による道路の寸断によるも
の。平成18年に松江市の1地区で2戸が7日間、平成25年に津和野町の2地区で56戸が3日間、平成29年に浜田市の1地区で14戸が3日間、令和3年に雲南市の3地区で6戸が8日間又は3日間となっている。
5 女性の視点等を生かした対策
  女性用の物資の不足、女性の着替え場所の確保など災害時の女性の視点に配慮することは重要。内閣府の
ガイドライン(R2)でも、避難所運営や備蓄について男女双方の視点に配慮すること、防災に関する様々な
意思決定の場面で女性の参画が必要とされている。県でも、市町村防災会議委員の女性登用の働きかけや市
町村実務研修での男女双方の視点を取り入れた避難所運営のワークショップを行っている。県が行う訓練で
も、授乳室や更衣室洗濯物スペースの確保や配置等について男女双方の視点を入れている。
備蓄についても、全国平均とほぼ同じ傾向であるが、今後も両性の違いを踏まえた備蓄を働きかける。
防災部署の女性職員の配置は、少ないのが実情だが、避難所訓練では、女性の視点からの意見をいただきながら取り組む。女性や子供、高齢者、障がい者など配慮が必要な方の視点を取り入れた避難所運営のワークショップ等を行っている。
6 原発関係
  島根原発2号機の新規制基準適合審査における地震に関する評価は、活断層の長さやその連動を含め、規
制委員会が厳格に確認を行い、妥当との判断である。また、能登では未知の活断層の動きがあったとの指摘
もあるが、他の原発について規制委員会は、今後の分析や検討が必要だが、現時点で緊急に対応しなければ
ならないものは無いとのこと。したがって、再稼働について一昨年行った判断は変えないが、規制委員会の
検討の状況を注視するとともに、能登半島地震を踏まえた震災への対応を強化する。
 原発に関する新規制基準においては、地震は揺れだけでなく、地盤の変位や隆起・沈降に伴う事故の発生
防止も求められており、審査の中でそのことは確認されている。能登半島地震では「縦ずれ断層」により4
mの隆起が発生した。島根原発周辺で最も大きな揺れを起こすと想定される宍道断層は「横ずれ断層」であ
り、規制委員会審査では、最大2cmの沈降があると評価されている。また、島根半島沖合の海域断層の活動
により最大34cmの隆起が生じると評価されている。原発の冷却に必要な海水の取水については、最も条件
が厳しい津波の引き波の場合でも問題がないことが確認されている。
地震・津波に関する新たな知見が確認された場合には、規制委員会は事業者に対応を求めることとされて
いる。
 屋内避難についての国の見解は、能登半島地震を踏まえても基本的な考えに変更はないと聞く。屋内避難
ができない場合には、近隣の避難所等での避難となる。そのための周知も行っている。
 複合災害時において避難ルートが使用できない場合は、①あらかじめ定めた代替ルートへの変更②新たな
ルートを代替ルートとして設定するとともに、道路の復旧を図るが、それでも陸路避難が困難な場合は、自
衛隊・海保の支援を受け、ヘリや船舶を利用して避難することになる。自宅での屋内避難が困難な場合には、
近隣の避難所等やUPZ外の避難所に避難してもらう。なお、宍道湖大橋、くにびき大橋については、耐震
化が完了、新大橋は架け替え時に耐震化する。
7 住居の耐震化
本県の住宅の耐震化率は75%と低い状況(全国87%)。現在でも、市町村が行う耐震化への助成事業に財政支援をしている。また、一定のリフォームについては助成もしている。
能登半島では、「倒壊等の建物は建築年代が古い木造建築物」との報告。県内でも耐震性能が低い住宅があり、引き続き耐震化の推進に努めるが、後継者がいない高齢者住宅では、多額の費用が必要な家屋全体の耐震化は容易でないことから、寝室や居間など家屋の一部を耐震化するなど、現実的な対応を検討してまいりたい。
  • 山根注 建築基準法改正前の建物、即ち、昭和56年以前の建築物は、耐震性がないと想定されます。対策として、耐震調査・耐震性強化が必要です。一部、補助制度があります。詳細は、市町に照会してください。
8 避難所のトイレ
  水洗トイレが使えない場合を想定して、市町村では、簡易トイレ(汚物を凝固剤で処理しゴミとして回
収・焼却)を備蓄。県もその補完として、避難所数の1/3に相当する備蓄を行っている。仮設トイレは市町村
と事業者の協定に基づき準備することになっている。
避難所となる高等学校における対策としては、①プールの水や雨水を洗浄水として使用できるトイレの設
置、②携帯トイレの確保、③近隣施設や協定による仮設トイレ等の優先利用などを行っている。   
9 車中避難
車中避難は、健康管理上の課題があり慎重であるべきだが、避難所が満員、乳幼児やペットがいるなどの
理由で車中避難者がおられることを前提として、国では指定避難所とは異なるルールを作る必要性が指摘されている。議論を注視するとともに、まずは、健康被害リスクについて正しい理解を促したい。
10 土砂災害危険個所の整備
  県全の危険個所は、32,212箇所と全国で3番目に多い。医療・福祉の拠点や重要な避難所などの避難活動拠点、重要なインフラ・ライフラインなどを保全対象とする箇所の対策を重点的に推進している。
11 ため池の耐震化・廃止
   石川県では、「防災重点農業用ため池(決壊時に下流の家庭や公共施設等に被害を及ぼす可能性があるため池)」1,133箇所のうち、262箇所で堤体の決壊亀裂・崩落し、被害が発生(2.26現在)。
  本県の防災重点農業用ため池は、1,305箇所。県は、耐震調査を行い、決壊時の影響度と施設の健全性を踏まえ、優先度の高いものから、順次、改修又は廃止を行っている。919箇所(約7割)を調査済、調査済の箇所のうち181箇所で工事を実施(令和4年度まで)。今後も調査を進め、優先度の高い個所から改修・廃止を進める。また、ハードのみならず、市町村と連携し、ハザードマップの周知による防災意識の向上、遠隔監視システムの導入などのソフト対策にも取り組む。
12 消防団の地震対策訓練
   消防団では、消防本部と共同で行う崩壊家屋からの救出訓練、救助敷材を活用した訓練、避難経路の確認などに取り組んでおられる。県の消防学校でも、団員を対象とした地震対応の訓練に取り組んでいる。今後も、災害時の初動対応の重要性を周知し、地震対応訓練を支援していく。
13 広範な地域での災害時に、市町村の機能が失われる状況における県の支援は?
地域防災計画では、県職員を市町村に派遣し、被害状況や支援ニーズを把握、助言や災害対応業務の支援を行うこととしている。県を超える応援が必要な場合は、中国5県、中国・四国地方等にエリアを広げて応援を依頼する。さらに大規模な災害では、国と全国知事会が全国から応急対策職員を派遣する。市町村は、応援職員を受け入れる受援体制の整備が必要だ。
14 防災行政無線
  防災行政無線は、防災に加え、一般事務での活用も可能なので、時報などに活用されている。
  外部電源が喪失された場合でも、県では72時間以上の稼働時間を確保。市町村においては、稼働可能時間にばらつきがある。<山根注>雲南市、飯南町では、統制局、中継局、子局とも72時間以上を確保
2019-03-23

チラシ

2019-01-03

県議会報告を発行しました。

2019-03-24
毎年発行していますが、今年は大変遅くなりました。
新年度予算の概要、県議会質問ダイジェストなどを掲載しました。
御照覧ください。

雲南市合併10周年

2014-11-11
 11月1日雲南市合併10周年記念式典が挙行されました。
 「もう10年も経過したのか」という思いで、感慨深く感じました。
 私は、県議会議長代理として出席し、議長の祝辞を代読いたしました。
 式典では、新しく「雲南市の歌」も披露されましたが、感じの良い、親しみやすく、歌いやすいものと思いました。
 6町村が合併し、市制が施行されたわけですが、この間、財政危機も乗り越えられ、新しい市民活動を中心としたまちづくりの推進、また、広域化したメリットを発揮され、たまごやスィーツなど地域の特産品を開発されてこられた市当局に敬意を表します。
 課題は、これからです。もっと、雲南市の一体感が高まってほしいと思います。そして、人口減少、高齢化など厳しい現実があります。様々な課題に市当局、市民が一体となって的確に対応していく必要があります。
 一体感の形成のためには、様々な市民の交流が必要です。体育大会、ゲートボール大会などの諸行事の合同開催や小中学生の交流などを意識的に展開すべきかもしれません。
 市域の経済活力の向上は、地域活力形成に欠かせません。基幹産業である農業の振興、企業の立地、新たな製品開発など官民一体となって展開していきましょう。
 生活の安心確保が大きな課題となりつつあります。市の辺地においては、高齢の方の独居が目立ちます。「買い物弱者」・「交通弱者」と言われる方がこれから増えていくと予測されます。政治・行政は、本来、こうした弱い立場の人のためにあると考えます。一層きめ細やかな施策展開が必要です。
 私も、一人の住民として、政治の場に身を置く人間として、必死に頑張らなくては、との思いを強くした式典でありました。

 最後に、この式典で、陶山吉郎先生が名誉市民に推挙されました。陶山先生の地域医療をはじめ様々な分野での御功績に深く敬意を表し、名誉市民への推戴にお喜び申し上げます。
 
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